あなたのまわりに、あなたが「何となく気に食わない」「よく知らないけどなんかムカつく!」と思う…、思ってしまう…、そんな人っていませんか?
会社の同僚、近所の人、テレビの中の芸能人…。
誰でも良いのですが、そのムカつく奴から、自分の悪口を言われたなど、実害を受けたわけでないのに、視界に入るだけで「なんか嫌い」と誰かを毛嫌いすることって、誰しもあると思うんですよ。
そういう「ムカつく奴こそ、自分が成長するために必要としている人であり、影響を受けるべきメンターである率が高い説」を、これからします。
ムカつく奴がメンターな理由
思いつくままに箇条書きにします。
・人は自分が欲しいものをすでに持っている他人を嫉妬する生き物
・その人から影響を受けて、自分が変わってしまうことへの潜在的恐怖
・いまの自分でいるためのホメオスタシス(恒常性維持機能)
自己啓発本が好きな人は、おなじみな理屈だと思います。
本来他人をムカつく必要はない
本来、その人から攻撃されたとかないかぎり、他人をムカつく必要なんて一切ないんですよ。
だって、攻撃とかされないかぎり、自分の敵じゃないですから。自分の幸せとは無関係な人、いや、敵じゃないなら、むしろ友好関係を築いてもいい人じゃないですか。
なのにわざわざムカついて自分の感情を害するのは、そこに「何かある」からです。自分にとって、「大切な何かがある」からこそムカつくわけです。
ムカつく奴ほど成長に必要
自分にとって影響力を与えうる、将来自分を変えうる人に対して、自己防衛反応として「ムカつく」ことで、自分が変化することへのブレーキをかけてしまう、たぶんそんな理屈だと思います。
ムカつき度合いが大きければ大きいほど、自分への影響力が大きいといえますね。
思春期の子供が、親へ激しい反抗することもそんな感じかもしれません。歳を重ねて、親の影響が少なくなれば、親への反抗も自然と減ります。
そして、いままで「ムカつく」として呑み込めなかった人を、ムカつかずに呑み込めるようになったら、それは自分が変化した証であり、いままで出来なかったことを出来るようになったという意味で、凄い成長を遂げたといってよいのではないでしょうか。
そういうロジックで、「ムカつく奴=メンター」説です。
内田樹さんの話
メンターとは少し話がずれるのですが、「ムカつく奴を自分の中に取り込んだ方が、もっとパワーが出るのに」と思った話をします。
以前、内田樹さんが、政治家の橋下徹さんを強烈に批判していたことをご記憶の方もいると思います。
こんな本もありますね。
ビジネス社
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(わたしは古本屋で買いました。未読)
いまは橋本さんが大阪市長を止めたせいか、内田さんの橋本批判はなりを潜めています。
当時、内田さんが熱心に橋本批判している時に感じたのは、「なぜ内田さんは、橋本さんと政治的なタッグを組まないのか。組んだら国政すら変えられるかもしれないのに」です。
内田さんは橋本さんとタッグを組むべきだった
どう見ても、内田、橋本は、互いに足りないものを持ち合わせていて、補強関係にあるのに、なぜに、あれほどまでに互いを批判し合うのかなと。
橋本さんの行動力と、内田さんの知性が合わされば、本当に大阪から日本を維新することだって可能だったのに。
橋本さんのブレーンに内田樹さんが就任して、橋本さんを内田さんがコントロールする形がベストだったとわたしは思うのですが、批判だけに(いまのところ)終わってしまったのは本当に残念です。
政治の話になってしまいましたが、何が言いたいのかというと、「自分がムカつく奴を、ただ批判したり、はねつけるだけでは、自分が損をする。ムカつく奴ほど、自分の中に取り込んだときにパワーが出る」という話です。
ムカつく奴=メンター説に気づいた話
メンターの話に戻します。
私の場合、はじめて「ムカつく奴=メンター説」を意識するようになったのは、夜回り先生こと水谷修さんです。
初めて水谷さんをテレビか何かで知った時から、「とにかく胡散臭い。信用ならない。なんかムカつく奴」と、水谷さんのことを思っていたのですけど、水谷さんの本を読んでみて、認識が一変しました。
自分のメンターとまでいかなくても、素晴らしい人だなと、それまで何も知らずに毛嫌いしていたことを反省しました。
私がムカつく人達
私の「ムカつく奴=メンター説」に該当するのは、昔だと宮台真司さん、いまだと堀江貴文さんとかがそうです。
コイツなんかムカつくな。いや、やっぱりすごいぞ…
以前、ライブドア事件の頃は、堀江さんのことを何も知らないに、知らないなら知らないで、「無関心」という中立状態であればいいのに、わざわざ「なんか、いけすかない奴」毛嫌いしていました。
いまでは、積極的に堀江さんの本を読んだりしています。
もちろん私の認識が変化したこともありますが、岡田斗司夫さんご指摘の通り、堀江さん自体が変化したということもあるでしょう。
ちなみに、現在わたしがムカつく人達をあげると、為末大、橋下徹、津田大介、姜尚中、辛淑玉、古市憲寿、安倍晋三あたりです。
この中にも、将来私がメンターと師事する人が紛れてるかもしれません。
本当にメンターなのか
ムカつく奴が必ずメンターなのかというと、もちろん百発百中ではありません。
あくまで「メンターである確率が高い」という話です。
そのムカつく人が書いた本を読んだり、出演している動画をユーチューブで観たりして、なるべく先入観を持たずに、実際その人を知ってみないことには、認識が変わるかどうかは分かりません。
その結果、ムカつく人を、「生理的に正しく嫌っていた」と感じる場合もあるでしょう。
ただ、初めから「ムカつく」とハードルが低いですから、くわしく知れば、メンターとまでは行かないまでも、「案外良い人じゃん」と良い方向に認識が変わることの方が、多いはずです。私は多かったです。
そのちょっとした変化でも、人生が豊かになったといえるのではないでしょうか。「ムカつく」人がいることは、むしろチャンスです。
YES!
先日、アマゾンプライムで「イエスマン」という映画を、何気なく観ました。
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それまで「NO」を繰り返してきた人間が、真逆の「YES」を繰り返すことで、新しい世界を切り開く物語です。(2009年の映画ですけど、今見ても面白いので是非)。
この映画もある意味そうですけど、やる前から勝手に判断するのは危険ですね。
よく知りもせず「ムカつく」と他人をはねつける「NOマン」では、人生損しているな~、と。
「ムカつく奴ほどメンター説」を持論にすることこそ、心を開放し、変化に柔軟に対応でき、自らのパフォーマンスを上げるコツである、という締めで記事を終わりにします。