付加年金に加入しました
先日、近くの市役所で、「付加年金への加入」の申し込みをすませてきました。
過去記事:「付加年金を申し込みに市役所に行ったら10分で手続きが終わった件 ~付加年金の手続き・申し込み方法まとめ~」
付加年金に加入できる人
はじめに確認しておくと、付加年金は、加入できる人が限定されています。
・付加年金に加入できる人:自営業者、学生、無職の人など
・加入できない人:サラリーマンや、公務員
自営業者である私は、
「付加年金って、テレビの特集やネット記事を見ると、スゴイお得な制度らしい。自分も加入しよう!」
と、自分の「やりたいことノート」のリストに、「付加年金への加入」を書き込んでいました。
ですが、そのノートに書いたあと、1~2か月ぐらいのあいだ、付加年金への加入をぐだぐた迷ってしまいました。
付加年金への加入を迷った理由
付加年金への加入を迷った理由は、おもに2つあります。
1、すでにイデコに加入している場合、付加年金にも加入すると、イデコへの拠出限度額が減ってしまう。
具体的に言うと、自営業者は、本来イデコに年額816,000円まで拠出できます。これが、付加年金への加入により、5,000円減額され、年額811,000円までとなります(※)。
※追記 2018年から、イデコへの拠出限度額が、「月」単位から、「年」単位に変更されました。そのため、「付加年金への加入で、イデコへの拠出限度額が減ってしまう問題」は、かなり緩和されました。
2、付加年金は、インフレに対応していないので、本当にオトクなのか?
将来のインフレリスクに対応するには、付加年金より、イデコを優先すべきではないのか。
このようなデメリットもあるため、すでにイデコに加入している人は、わざわざ付加年金にも加入しなくて良いのではないか?
付加年金に加入するよりも、イデコ1本に絞ったほうが、オトクなんじゃないの?という疑問です。
イデコvs.付加年金
過去記事でも書きましたが、わたしはすでにイデコ(個人型確定拠出年金)に加入しています。
過去記事:SBI証券のiDeCo開始の申し込み、やってみたら簡単だった話
付加年金を申し込みに、近くの市役所に行くのが面倒くさいという「怠け心」も手伝い(正直、市役所という建物が少し怖かったりもする…)
付加年金も併用するか、イデコ1本でいくか。
心が揺れた時期があります。
今回、そんなわたしが付加年金への加入を決めた理由を書きます。
付加年金への加入を決めた理由
なぜ付加年金への加入を決めたか。
おもな理由は4つ。
1、そもそもイデコに年額816,000円まで拠出できる経済状況にないが、付加年金の年額4,800円(毎月400円)なら払える。
2、付加年金には、最低掛金期間がなく、掛け捨てではないため、気軽に始めやすい。付加年金に加入後、仮に65歳前に脱退しても、それまで付加保険料を払った分だけ、ちゃんと年金受給額に反映(増額)される。
3、長生きする予定なので、付加年金で、生涯貰える終身年金を増やしておきたい。
4、将来インフレが起こっても、通常のインフレ率ならば、付加年金へ加入したほうがオトク。
上記4つの理由を、もう少しくわしく説明しますね。
理由①「月々400円なら払える」
まずは「そもそも論」からです。
そもそも、イデコに限度額の年額816,000円まで払える経済状況にない人は、「付加年金も併用か、イデコ1本か」を、天秤にかける必要はまったくありません。
たしかに、付加年金への加入により、イデコへの拠出限度額は、(わたしの計算だと)年額5,000円減ります。
自営業者の(通常の)イデコへの拠出限度額 | 年額816,000円 |
付加年金にも加入した場合、イデコへの拠出限度額 | 年額811,000円 |
ですけど、イデコに年額816,000円払える経済状況にない人は、たとえ拠出限度額が5,000円減ったとしても、まったく関係ないんですよね。
だって、そもそも限度額まで払えないんですから(笑い)。
なので、(わたしを含めて)そういう人は、イデコに加入していることを理由として、付加年金への加入をためらう必要は一切ありません。
わたしの場合、1~2カ月もの間、迷う必要が無いのに「あーだこーだ」と逡巡していたことに、気が付いたときは、自分の愚かさに、思わず苦笑いしてしまいました。
※とりあえず結論を書いちゃうと…
イデコに年816,000円(仮に月平均にして払うとすると、毎月68,000円)払えない人は、イデコと付加年金、どちらか一方を選択する必要はありません。
迷うことなく、イデコと付加年金、両方に加入しましょう。
「イデコに年816,000円も払えない」という人でも、付加年金の毎月400円なら、無理なく払えるはずだからです(週一で缶コーヒー1本程度、節約するだけ)。
なお、「イデコに年816,000円払える経済状況にある人は、どうすべきか」は、この記事の後半に書いています。
理由②「付加年金制度というお手軽制度」
付加年金は、月々400円という少額であること、最低掛け金期間がないこと等から、気軽に始めやすく、途中で脱退しやすい制度です。
仮に、将来、毎月400円払うのもきつい経済状況になり、65歳になる前に付加年金から脱退したとしても、それまで払った付加保険料分だけ、しっかりと年金額は増額されます。
迷ってる暇があったら、お試しに加入してみればよいのです。
理由③「長生きリスク」
イデコは、生涯貰える終身年金でありません。
長生きする自信がある場合、基礎年金しかない自営業者は、付加年金に加入して、終身年金をすこしでも増やし、「長生きリスク」に備えるべきです。
理由④「通常のインフレなら、付加年金で大丈夫」
たしかに、付加年金はインフレには対応していない、というデメリットがあります。
ですが、この記事(国民年金の付加年金はインフレを考慮してもお得な制度か?年利回りを計算しました。 )によると、通常のインフレ率であれば、付加年金のメリットが上回る計算のようです。
以上4つを理由として、私は付加年金に加入しました。
いまのところ(2018年10月現在)、この判断に満足しています。
経済的に余裕のある人は、どちらがオトクなのか
では、イデコに拠出限度額(年額816,000円)まで払える人は、どうすべきでしょうか?
・イデコ1本で行くのか(イデコに年額816,000円拠出する)
・イデコへの拠出限度額が年5,000円減ったとしても、付加年金にも加入すべきなのか(イデコに年額811,000円拠出する+付加年金に年額4,800円払う)
結論から言うと、どちらが「よりオトクか」を一概に決めつけることはできません。
さまざまな選択要素、不確定要素があるからです。
・投資期間、加入期間はどれくらいか。どれくらいの期間、イデコで運用するのか、何歳から付加年金に加入するのか。
・年金受給期間はどれくらいか。長生きするのか、早死にするのか。
・イデコで、どの商品を運用するのか? イデコで選んだ商品が、将来どれくらい値上がりするのか、それともどれくらい値下がりするのか?
・将来、どれくらいのインフレ率になるのか?それとも、どれくらいのデフレ率になるのか?
・今後、(付加)年金制度の存続を含めた、どのような制度変更があるのか?
おそらく付加年金にも加入したほうがオトク
このような不確定要素があるので断言はできないのですが、あえて私見を言わせてもらうと、
「イデコ1本で行く」より、
「イデコ加入者も、付加年金に加入する」ほうが、
オトクな可能性が高い、はず。
結局、イデコに、拠出限度額(年額816,000円)まで払える金持ちも、払えない金持ちじゃない人も、
「イデコ加入者は、付加年金にも加入したほうがオトク!」
というのが、わたしの結論です。
※2018年より、イデコへの拠出が、「月」単位から「年」単位に変更されたことで、「イデコ加入者が、付加年金へ加入するデメリット」(拠出限度額の枠を余らせること)が、ほぼ無くなったのが大きいです。
レアケースも想定してみる
逆に、「イデコ1本」のほうがオトクになる、というレアケースが起きるのは、
・イデコで運用していた株などの価値が爆上げする
・極端なインフレが起きる
・制度変更される(付加年金が不利な方向へ、イデコが有利な方向へ)
といった場合に限られます。
卵は一つのカゴに盛るな
レアケースと言いましたけど、たしかに、「将来の極端なインフレ」や、「付加年金が不利な方向へ、イデコが有利な方向への制度変更」は、いかにもありそうですよね。
う~ん、そうなると「付加年金は止めてけ」となるのですが、将来どうなるかなんて、誰にもわからないですからね。
「将来は不透明」だからこそ、分散によるリスク低減の観点から、やはり、どちらか一方ではなく、両方に保険を掛けておく。
「イデコにも付加年金にも、両方に加入しておく」のが、現時点ではベターと考えます。
具体的には、
・付加年金に毎月400円払う。
・各自の経済状況に応じて、イデコの拠出限度額(年額811,000円)の範囲で、可能な限りにイデコにも拠出する。
のをオススメしますし、わたしはそうしてます。
自分の価値観に合うかどうか
と言いましたが、最後は自己責任でお願いします。
結局のところ、イデコも付加年金も、年金です。年金は「より良い人生を営むための(大切な)保険」にすぎません。
最終的には、自分の信条、価値観、生き様によって、どのような選択をするか決めるべきですね。
もちろん「年金なんて最低限でいいよ」という人も、いるでしょう。
自分が納得する選択をすることが、人生の主導権を自ら握るという意味で、実は一番大切なことだと思います。これは、年金に限りません。
まとめ
最後に、この記事をまとめます。
付加年金への加入方法については、すでに過去記事で書きました。
過去記事:付加年金を申し込みに市役所に行ったら、あっという間に10分で手続きが終わった話(付加年金への加入手続きと申し込み方法まとめ)
イデコの始め方は、過去記事を見てください。
過去記事:SBI証券のiDeCo開始の申し込み、やってみたら簡単だった話
小規模企業共済の掛金は、月1,000円から70,000円まで選べて、掛金全額、所得控除されます。
自営業者など、付加年金に入れる人は、わたしみたいにぐずぐずせず、一日でも早く付加年金に入ることをオススメします。これが、この記事のまとめです。
編集後記
本文にも書きましたけど、悩む必要のないこと、「付加年金に加入すると、イデコへの拠出限度額が減っちゃう」に悩んでしまいました。
イデコに限度額まで払えるようになってから、悩むべきでした。
今思えば、「付加年金を申し込むために市役所に行かないですむ理由(怠ける理由)」を、自分の頭の中で、ぐるぐる探していただけかもしれません。
人は、なぜ怠けようとするとき、これほどクリエイティブになるのでしょうか。
かの夏目漱石も、ホントは観に行きたくない芝居を見に、妻と出かける予定がある日は、出発時刻が近づくと、不思議と体調を崩したそうです。
そして、「体調不良なので、今日は芝居を観に行かない!と決まった途端に、漱石の体調は良くなった」というエピソードを、本で読んだ記憶があります(もしかしたら漱石自身の話ではなく、小説の登場人物の話だったかも)。
どうやら、私には、「夏目漱石級のクリエイティブさ」があるようです。
…悔しいので、今回のことを記事にしました。
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